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倉庫でネズミやフンを見つけたとき、まず確認したいのは「どこから来たのか」です。
倉庫の場合、住宅とは少し事情が違います。
搬入した荷物やパレットに紛れて持ち込まれた可能性もあれば、搬入口やシャッター、外壁の隙間から継続的に侵入している可能性もあります。
ここを切り分けないまま粘着シートだけを増やしても、外から新しいネズミが入り続けていれば再発します。
反対に、搬入物に付随した一時的な持ち込みであれば、発生した区画や荷物を追うことで原因を絞れることがあります。
倉庫でネズミが出たときは、「捕まえる」より先に、パレット・搬入口・シャッター・壁際の痕跡を確認することが重要です。
倉庫でネズミが見つかった場合、大きく分けると次の2つの侵入パターンが考えられます。
どちらなのか分からないときは、次の順番で確認すると原因を絞りやすくなります。
ポイントは、倉庫内だけを見て終わらせないことです。
内部にフンがある場所と、建物外周にある侵入可能な場所をつなげて考えると、原因が見えてくることがあります。
倉庫では毎日のように荷物が入れ替わります。
そのため、ネズミが別の倉庫や工場、物流拠点などで荷物の隙間に入り込み、そのまま移動してくる可能性があります。
特に確認したいのは、次のような荷物です。
必ずしも商品そのものにネズミが入っているとは限りません。
パレットの隙間や段ボール同士の間、荷崩れ防止材の裏などを一時的な隠れ場所として利用していることも考えられます。
新しい荷物を搬入した直後から、その周辺だけで急にフンが見つかるようになったのであれば、持ち込みを疑う材料になります。
もう一つは、倉庫そのものに侵入口があるケースです。
物流倉庫や資材倉庫は、住宅と比べて大型の扉やシャッターがあり、人やフォークリフト、トラックの出入りも多くなります。
そのため、
といった場所から侵入する可能性があります。
こちらの場合、倉庫内のネズミを捕獲しても、侵入口が残っていれば再び入り込まれる可能性があります。
原因を切り分けるうえで役立つのが、フンがどこにあるかです。
清掃して終わりにせず、最初にスマートフォンで撮影しておくと後から比較できます。
もちろん、フンの位置だけで断定はできません。
しかし、「どこで最初に見つかり、どこへ広がっているか」を追うことで調査範囲をかなり絞れます。
倉庫内を確認するときは、まずパレット周辺から見ていきます。
特に重要なのが、長期間動かしていない在庫です。
日常的にフォークリフトで動かしている場所より、人の目が届きにくく、しばらく動かされていない場所のほうが異変を見落としやすくなります。
パレット周辺では、次のような痕跡がないか確認します。
パレットの奥を確認するために無理に手を差し込む必要はありません。
荷物を安全に移動できる環境であれば、フォークリフトなどで移動したあと、床面にフンや巣材が残っていないか確認します。
トラックが頻繁に出入りする搬入口は、倉庫のネズミ調査では外せない場所です。
設備そのものに異常がなくても、運用によって侵入しやすくなることがあります。
例えば、
といった状態です。
昼間の作業中だけを確認するのではなく、営業終了後に実際にどのような状態になるのかまで見てください。
昼間は問題がなく見えても、最後のトラックが出たあとに扉が開いた状態が続いていることもあります。
搬入口だけを見るのではなく、建物の外側も確認します。
近くに、
などがある場合、倉庫周辺にネズミが活動できる環境がないかを見る必要があります。
また、搬入口のすぐ横に段ボールや廃材を大量に置いていると、外壁際の確認そのものが難しくなります。
ネズミ対策では、建物だけでなく外周の整理状態も重要な確認材料になります。
「夜はシャッターを閉めているから大丈夫」と思われがちですが、確認したいのは閉めているかどうかではなく、閉めたあとに隙間が残っていないかです。
実際の営業終了時と同じ状態までシャッターを下ろして、次の部分を見ます。
床がわずかに沈んでいたり、長年の車両通行で床面に段差ができていたりすると、シャッター本体に異常がなくても隙間が生じることがあります。
また、日中にシャッターを開けた状態では分からないため、閉鎖後の状態で確認することがポイントです。
侵入口そのものが分からないときは、シャッター周辺の床も見ます。
例えば、シャッターの端から壁沿いにフンが点々と続いている場合、その場所が移動経路になっている可能性があります。
ネズミは倉庫の中央を堂々と移動するとは限りません。
壁際、設備の裏、ラックの下など、人から見えにくい場所を移動していることもあります。
倉庫の中央だけを見るのではなく、壁と床が接するラインを一周するように確認すると痕跡を見つけやすくなります。
倉庫には住宅以上に設備配管や電気配線が通っています。
特に確認したいのが、外壁を貫通している部分です。
配管そのものではなく、配管と壁の間に隙間が残っていないかを確認します。
新築時には問題がなくても、その後にエアコンや通信設備、機械設備などを追加したことで、新しい貫通部が作られていることがあります。
「昔からある倉庫だから」という理由で建物だけを見るのではなく、後から行った設備工事の場所まで確認するのがポイントです。
倉庫内で怪しい隙間を見つけても、その場所だけを塞ぐ前に外側を確認します。
内側では小さな隙間に見えても、外壁側では大きな破損につながっている場合があります。
反対に、外側から見える穴が、必ずしも倉庫内部までつながっているとは限りません。
そのため、
倉庫内の痕跡 → 壁の位置 → 建物外周
という順番で同じ場所を照らし合わせると判断しやすくなります。
倉庫では在庫だけでなく、使用済み段ボールや梱包材、木材などが一時保管されることがあります。
問題は、こうした物が壁際に長期間置かれているケースです。
物が積み上がっていると、
という状況になります。
「ネズミが隠れるから」という理由だけではなく、点検できない状態を作らないという意味でも、壁際を定期的に確認できる環境にしておくことが大切です。
倉庫でのネズミ被害は、ネズミを1匹見たという問題だけでは済まないことがあります。
保管している商品や資材によっては、
といった二次被害につながります。
特に食品、食品包装材、医薬品、衛生用品などを扱う倉庫では、直接商品が食べられていなくても、保管環境そのものが問題になる場合があります。
「まだ商品被害は出ていないから様子を見る」ではなく、フンやかじり跡が見つかった段階で発生範囲を確認するほうが安全です。
倉庫内に粘着シートや捕獲器を置き、1匹捕まると「原因は解決した」と考えてしまうことがあります。
しかし、そのネズミが荷物と一緒に偶然入ってきた1匹なのか、外部から侵入している個体の一部なのかは、捕獲しただけでは分かりません。
捕獲後は、
を継続して確認します。
「捕獲数」より「新しい痕跡が止まったか」を見るほうが、再発確認としては分かりやすいでしょう。
広い倉庫ほど、「昨日どこにフンがあったか」が分からなくなります。
そこで有効なのが、簡単な記録です。
倉庫の図面があれば、フンやかじり跡を見つけた場所に印を付けます。
図面がなければ、スマートフォンで撮影し、
などを残すだけでも十分です。
数日から一定期間記録すると、シャッター側から増えているのか、特定の荷物周辺だけで発生しているのかが見えやすくなります。
厚生労働省の建築物環境衛生管理基準では、対象となる建築物のねずみ等の防除について、IPM(Integrated Pest Management/総合的有害生物管理)の考え方が取り入れられています。
これは、むやみに薬剤を使うのではなく、まず生息状況を調査し、侵入経路や被害状況を確認したうえで、発生防止を含めた対策を行う考え方です。
すべての倉庫が同基準の対象になるわけではありませんが、倉庫のネズミ対策を考えるうえでも参考になる考え方です。
実際、倉庫では捕獲だけを続けるより、
という流れで考えたほうが原因を潰しやすくなります。
実際にネズミやフンを見つけた場合、いきなり倉庫全体へ粘着シートをばらまくのではなく、まず状況を残します。
商品にフンや尿などが付着している可能性がある場合は、通常在庫と混在させず、社内の衛生管理ルールに従って取り扱ってください。
パレット周辺の確認、フンの位置記録、シャッター下の目視などは、自社でも比較的確認しやすい範囲です。
一方、次のような場合はネズミ駆除業者による調査も検討したほうがよいでしょう。
倉庫の場合、住宅よりも面積が大きいため、「ネズミがいた場所」だけを処理しても原因が別の場所に残っていることがあります。
建物外周まで含めて侵入経路を確認することが重要です。
一時的に荷物へ紛れて入った可能性もありますが、1匹だけなのかを目撃だけで判断することはできません。周辺のフン、かじり跡、パレット下、壁際、搬入口などを確認し、新しい痕跡がないか調べたほうがよいでしょう。
荷物やパレットの隙間を利用して、別の保管場所から移動してくる可能性はあります。特に、新しい荷物を搬入した直後からその周囲だけで痕跡が出た場合は、持ち込みも含めて調べます。
閉めているだけでは判断できません。シャッター下端、左右のレール、床面との境目などに隙間が残っていないか、実際に完全閉鎖した状態で確認してください。
捕獲できる場合はありますが、外部から侵入し続けている場合は再発します。捕獲と同時に、搬入口やシャッター、外壁、配管貫通部などの侵入経路を調査する必要があります。
衛生上、放置はおすすめできません。ただし、原因調査をする場合は清掃前に場所や状態を撮影しておくと、発生範囲を追いやすくなります。清掃時は素手で触らないようにしてください。
まずフンが見つかった場所と周辺のパレットを確認し、その後、壁際をたどって搬入口・シャッター・配管貫通部へ進むと効率的です。建物内部だけでなく、対応する外壁側も確認してください。
倉庫でネズミが出た場合、「外から入った」と最初から決めつける必要はありません。
新しく搬入した荷物やパレットに付随して持ち込まれた可能性もあります。
一方で、シャッター下や搬入口、配管貫通部などから継続して侵入している場合は、捕獲だけでは再発を止められません。
まず、フンがどこにあるのかを記録し、パレット周辺を確認する。その後、壁際をたどり、搬入口・シャッター・配管貫通部・建物外周まで見る。
この順番で調査すると、荷物由来なのか建物由来なのかを切り分けやすくなります。
そして、ネズミが捕まったかどうかだけではなく、新しいフンやかじり跡が止まったかまで確認してください。
商品汚染が疑われる、複数エリアで発生している、捕獲しても繰り返し痕跡が出る場合は、侵入口の調査と封鎖を含め、ネズミ駆除業者への相談も検討しましょう。