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厨房は毎日清掃しているのに、バックヤードでネズミを見た。食品庫の袋がかじられている。納品用の段ボールの近くにフンがある。そんな場合は、厨房の清掃だけでなく、荷物が入ってから保管されるまでの流れを見直す必要があります。
飲食店のバックヤードでは、「搬入口から入る」「収納物の陰に隠れる」「保管食品を餌にする」という条件を分けて確認します。調理していない場所であっても、食品や包装資材を保管する場所の汚染対策は必要です。[1]
搬入口は納品、空容器の返却、ゴミの搬出などで開閉します。扉を閉めるルールだけでなく、荷受け中の開放状況や、閉めた後に残る隙間も点検しましょう。
開口部の対策は、食品衛生法施行規則が示すネズミ・昆虫の侵入防止にも含まれます。ドアや網などの状態を維持することと、日々の使い方の両方を確認してください。[1]
空き箱を積み上げると、壁際や床が見えなくなります。紙や布などはネズミの巣材にもなるため、必要以上の保管を避け、棚の裏や床面を確認できる状態にしましょう。[2]
ただし、段ボールがあるだけでネズミが発生するわけではありません。箱の破れ、フン、保管位置、入荷時点の状態を確認して、原因を絞ることが大切です。
乾物、穀類、菓子類、開封した原材料などが利用されていないか確認します。厨房で使う食品だけでなく、スタッフ用の菓子や回収待ちの生ゴミも点検対象です。食品を密閉して管理し、餌を放置しないことが防除の基本です。[2]
| 場所 | 確認する内容 |
|---|---|
| 搬入口・裏口 | 扉下の隙間、閉まり不良、荷受け中の開放、周辺のゴミ。 |
| 荷受けスペース | 納品された箱の破れ・フン・汚れ。確認前の商品を置く場所。 |
| 段ボール・空容器置き場 | 長期滞留、床のフン、棚や壁の裏が見えない状態。 |
| 食品庫・資材庫 | かじられた袋、食品のこぼれ、床への直置き、開封品の保管。 |
| 共用部との境目 | 配管まわりや壁の開口。共用ゴミ置き場などでも出没していないか。 |
食品庫の奥で見つかったからといって、そこが外からの入口とは限りません。餌場、隠れ場所、侵入口を別々に記録し、店舗内の位置関係を確認しましょう。
納品の直後にネズミの痕跡を見つけても、それだけで仕入先から持ち込まれたとは判断できません。入荷時からあった破損なのか、店舗で保管中に発生した食害なのかを区別する必要があります。
荷受けでは、箱の外観や底面、包装の破れ、フンのような異物を確認します。不審な物があれば写真と納品日時を残し、食品衛生責任者へ共有してください。確認が済まない商品を、ほかの原材料と混ぜて保管しないようにします。
外箱を外す運用にする場合は、荷受け場所で内容物の状態を確認し、清潔な保管場所へ移します。個包装や内袋まで汚染が疑われる場合は、外箱だけを捨てて通常使用するのではなく、商品の取り扱いを判断する必要があります。
原材料の受入時に品質や状態を点検することは、食品衛生責任者による衛生管理の一つです。[3]
食品衛生法施行規則では、ネズミ・昆虫による汚染を防ぐため、原材料や製品、包装資材を容器に入れ、床や壁から離して保存すること、開封後はふた付き容器などで汚染防止対策を取ることが示されています。[1]
「袋の口を折ってある」「棚の上に置いてある」だけで管理が十分とは限りません。保管容器の状態、ふたの閉まり方、こぼれた原材料の残り、棚の背面を清掃できるかまで確認しましょう。
棚と壁の間隔を決める際は、店舗の構造や清掃方法に合わせて、点検できる空間を確保します。必要な間隔は施設の衛生管理計画や保健所の指導に沿って確認してください。
かじられた食品や、フン尿による汚染が疑われる食品は、使用・提供を止めてほかの食品と分け、食品衛生責任者へ報告してください。被害部分だけ取り除いて使うことは避けます。
一方、バックヤードにネズミがいたという理由だけで、保管品すべての汚染が確認されたわけでもありません。包装の状態や接触の可能性を調べ、安全性を確認できない物を使わない判断が必要です。食品の取り扱いに迷う場合は、管轄の保健所へ相談しましょう。
発見箇所を記録し、周辺の食品・資材を保護してから処理します。ネズミのフンを乾いたまま掃くことや、掃除機で吸うことは避けてください。[4]
清掃・消毒後は、使用した道具の管理と手洗いも行います。調理や食品保管の安全を確保できない区画では、作業を止めて責任者へ判断を求め、必要に応じて保健所へ相談してください。
殺鼠剤や殺虫剤を使う場合は、食品を汚染しないように取り扱う必要があります。設置場所、回収方法、食品との区分を決めずに、食品庫へ薬剤を置くことは避けましょう。[1]
飲食店では、HACCPに沿った衛生管理の中で、衛生管理計画に基づく実施と記録、見直しを進めることが基本です。ネズミ対策も、駆除した日だけでなく、日常の確認と改善につながる記録にしましょう。[5]
店舗内の記録項目としては、発見日時、場所、痕跡の種類、食品への影響、担当者、実施した処置、その後の確認結果を整理すると使いやすくなります。捕獲器などを設置した場合は、設置位置と点検日も紐付けて管理してください。
例えば、「食品庫でフンを発見した」という記録に、「袋物を容器へ移した」「搬入口の隙間を修理した」「その後どこで新しい痕跡が出たか」を加えると、対策の効果と未解決の場所を比較できます。このように、処置と確認結果を一緒に残しておきましょう。
共用ゴミ置き場や配管スペースでも痕跡がある場合は、自店舗の範囲と共用部を分けて確認します。他区画からの侵入を疑っても、調査前に隣の店舗が原因と決めつけないでください。
建物管理者と、調査できる場所、修繕が必要な箇所、費用や作業の担当を共有しましょう。壁や共用設備への施工は、管理者との調整が必要です。
専門業者へは、荷受け時間、閉店後の作業可否、食品の保管量、共用部での出没情報も伝えます。調査、駆除、防鼠施工、再点検がそれぞれ見積もりに含まれるかを確認してください。
食品を扱う場所への影響を確認する必要があります。ただし、見つけた場所だけで厨房全体に被害があるとは決めず、通路や保管場所に沿って範囲を調べます。
不要にはなりません。納品時の確認、食品管理、搬入口の開閉、清掃などは日々の店舗運営と関係します。異常を業者へ共有し、定期点検の間も状態を把握することが大切です。
箱の整理は必要ですが、それだけでは侵入口や餌の問題は解決しません。荷受け、食品庫、搬入口を合わせて見直してください。
飲食店のネズミ対策は、厨房の清掃だけでは完結しません。搬入口の状態、納品時の確認、空き箱の整理、食品庫の保管方法、発見後の記録までを店舗の運用に組み込みましょう。
駆除王へのご相談では、店舗の業態、発見場所、食品への被害、荷受け時間、共用部とのつながりをお知らせください。営業時間や食品管理に配慮した調査・対策についてご相談いただけます。
[1] e-Gov法令検索「食品衛生法施行規則」別表第十七・ねずみ及び昆虫対策
[2] 新宿区「ねずみにお困りの方へ」
[3] 三重県「食品衛生責任者の役割」