COLUMNコラム

家の中の異音でわかる害獣チェックリスト|時間帯・音・場所別に原因を特定

2025.12.11
家の中の異音でわかる害獣チェックリスト|時間帯・音・場所別に原因を特定

この記事でわかること

  • 家の中で聞こえる異音から、原因となりやすい害獣・害鳥を高精度で絞り込む方法

  • 時間帯×音×場所の3軸での切り分け

  • やっていい初動/やってはいけないNG対応

  • プロに相談すべき判断ラインと、再発を防ぐ正しい順番

この記事の結論

家の中の異音は、「時間帯」「音の種類」「聞こえる場所」をセットで見れば、
ネズミ・イタチ・ハクビシン・コウモリ・鳥などの候補をかなりの精度で特定できます

そして最も重要なのは、対処の順番を間違えないこと。

正解ルートは基本的にこれです。
観察・記録 → 痕跡確認 → 追い出し/捕獲 → 清掃・消毒 → 侵入口封鎖 → 再発チェック

逆に、音がするからといって最初に塞ぐと、
閉じ込め・悪臭・家屋破損などの“地獄ルート”に入りやすくなります。

まずはスマホでできる“異音ログ”の取り方

異音の特定は、メモの質で勝負が決まります。
以下のテンプレをそのまま使ってください。

  • 日時:

  • 天候:晴れ/雨/強風/寒い/暑い

  • 時間帯:夕方/夜/深夜/明け方/朝/昼

  • 場所:天井裏/壁の中/床下/ベランダ/屋根/換気口付近

  • 音:カリカリ/ガリガリ/サササ/ドタドタ/バサバサ/コトン

  • 継続:数秒/数分/断続的/毎日

  • 変化:雨の日に増える/朝だけ/夜だけ など

録音できるならベスト。
“音のサイズ感”は文字より録音が正確です。

3分でできる異音セルフ診断(最重要チェック表)

当てはまるものを選んで、候補を絞り込みます。

A. 時間帯チェック

  • 夜〜明け方に増える → ネズミ/イタチ/ハクビシン/コウモリ

  • 朝方だけ目立つ → 鳥/コウモリ

  • 雨の日に増える → 侵入口がある可能性大(ネズミ/鳥/コウモリ/イタチ)

  • 人の動きと連動して鳴る → 建材・湿気由来の可能性(害獣以外)

B. 音の種類チェック

  • カリカリ/ガリガリ → ネズミの可能性が高い

  • サササ/カサカサ → 小型の移動音(ネズミ等)

  • ドタドタ/ゴトッ → 体の大きめな動物(イタチ/ハクビシン等)

  • バサバサ/チョンチョン → 鳥の羽音・歩行音

  • コトン/トン/軽い落下音 → 屋根裏での移動・飛び降り

C. 場所チェック

  • 天井裏 → ネズミ/イタチ/ハクビシン/コウモリ

  • 壁の中 → ネズミ優勢(配線リスクが高い)

  • 床下 → ネズミ/湿気/シロアリの切り分けが必要

  • 屋根・軒下・ベランダ → 鳥/コウモリ

  • 換気口周辺 → 小型侵入の起点になりやすい

【早見表】時間帯×音×場所で原因候補を特定

以下は“最短で当たりを付ける”ための実務用まとめです。

1) 天井裏で「カリカリ/コトコト」+夜中心

最有力:ネズミ
次点:イタチ

  • 音が軽く速い → ネズミ寄り

  • 1回1回の音が重い → イタチ寄り

  • 断熱材が広く踏み荒らされている → イタチ寄り

→ 子記事リンク想定:
「天井裏の“カリカリ/コトコト”はネズミ?イタチ?見分け方」

2) 壁の中で「ガリガリ」+夜中心

最有力:ネズミ

  • 配線をかじる可能性

  • 漏電・火災リスクに注意

→ 子記事リンク想定:
「壁の中の“ガリガリ”は何?|配線被害・漏電・火災リスクと正しい対処法」

3) 床下で「ガサガサ」+夜中心

最有力:ネズミ
ただし要注意:

  • ミシミシが人の歩行と連動するなら湿気・床材の可能性

  • 床が沈む/羽アリが出たならシロアリ疑い

→ 子記事リンク想定:
「床下の異音の正体|湿気・シロアリ・害獣を“音と症状”で切り分ける完全ガイド」

4) 朝方だけ屋根・軒下で「バサバサ」

最有力:鳥(ムクドリ/ハト/スズメ等)
次点:コウモリ

  • 糞に白い成分が混じる → 鳥

  • 黒い小粒で崩れやすい → コウモリ

→ 子記事リンク想定:
「朝方だけ音がするのはなぜ?|鳥・コウモリ・小動物の可能性と見分け方」

5) 雨の日に音が増える

侵入口推定の最大チャンス

  • 屋根・軒下で増える → 鳥/コウモリ/イタチ

  • 壁内で増える → ネズミ

  • 床下で増える → ネズミ+湿気音の混在に注意

→ 子記事リンク想定:
「雨の日に異音が増える理由|侵入口と巣の位置を推定する“天候診断”のコツ」

“痕跡”を見れば確度が跳ね上がる

音だけでは候補止まり。
**痕跡(フン・ニオイ・巣材・断熱材の荒れ)**を加えると、判断が一気に固まります。

フンのざっくり見分け

  • ネズミ:米粒〜小豆くらいの細長い粒

  • イタチ:太めでねじれがあり、毛などが混じることも

  • :白っぽい成分が混ざる

  • コウモリ:黒い小粒で崩れやすい

ニオイ

  • アンモニア臭 → ネズミ

  • 獣臭が強い → イタチ等の可能性

いますぐできる安全な初動

危険作業なしでできる範囲に限定します。

  • 音ログを取る(最重要)

  • 点検口があれば

    • 断熱材の乱れ

    • フン

    • 巣材
      をライトで確認

  • 室内の誘引源を減らす

    • 食品の密閉

    • ゴミの即密閉

    • ペットフードの管理

  • 外周の目視

    • 通気口

    • 配管周り

    • 軒天の破損

    • 外壁の隙間

絶対にやってはいけないNG対応

1) 先に侵入口を塞ぐ

最も多い失敗です。
中にいる状態で塞ぐと

  • 閉じ込め

  • 天井裏や壁内で死亡→悪臭

  • 室内側へ逃げ込む

  • 破壊行動で被害拡大

につながることがあります。

2) 毒餌を無計画に置く

天井裏・壁内で死骸化すると
臭い・ウジ・ハエ・二次被害の原因になりやすいです。

3) 高所や屋根に自己判断で上る

転落リスクが高い上、
封鎖箇所の見誤りが再発の原因になります。

プロ依頼の判断基準(このラインで即相談)

  • 音が1週間以上継続

  • フンや尿臭が確認できる

  • 壁内でガリガリ音(配線リスク)

  • 断熱材の荒れが目立つ

  • 小さな子ども・高齢者がいる

  • 以前より虫(ダニ様の小さな黒点)が増えた

“調査→追い出し→清掃→封鎖”までワンストップでやれる会社を選ぶと、
結果的に再発コストが下がります。

再発させないための“正しい順番”まとめ

異音相談で最も成果が出る黄金手順を、もう一度整理します。

  1. 観察・記録

  2. 痕跡確認

  3. 侵入口・導線の特定

  4. 追い出し/捕獲

  5. 清掃・消毒

  6. 封鎖

  7. 一定期間の再チェック

この順番が崩れるほど、
「一度静かになったのにまた鳴る」という再発パターンに入りやすくなります。

よくある質問

Q. 異音が突然止まりました。解決したと思っていい?

A. 移動しただけのことが多いです。
巣や侵入口が残っていれば、気温や天候で再開します。

Q. 新築でも害獣の異音は起きる?

A. 起きます。
通気構造・配管の取り合い・外構の形状など、
わずかな隙間が起点になる例があります。

Q. 音が複数種類に聞こえるのはなぜ?

A.

  • 複数個体

  • 複数種が同居(例:ネズミを追ってイタチが入る)

  • 動物音+建材音の混在
    の可能性があります。
    痕跡確認で整理するのが近道です。

まとめ

家の中の異音は、
時間帯×音×場所で整理すれば、原因をかなりの精度で絞れます。

  • 天井裏の軽いカリカリ → ネズミ優勢

  • 壁内のガリガリ → ネズミ+配線リスク

  • 床下は害獣だけでなく湿気・シロアリも切り分け

  • 朝方の屋根・軒下 → 鳥/コウモリ

  • 雨の日に増える → 侵入口推定のチャンス

そして何より大事なのは、
追い出し前に塞がないこと。

観察→追い出し→清掃→封鎖
この順番を守るだけで、再発率とコストは大きく変わります。