COLUMNコラム

床下の異音の正体|湿気・シロアリ・害獣を“音と症状”で切り分ける完全ガイド

2025.12.11
床下の異音の正体|湿気・シロアリ・害獣を“音と症状”で切り分ける完全ガイド

この記事の結論

床下の異音は
害獣だけが原因ではありません。
実際には

  1. 害獣(ネズミ・イタチ等)

  2. 湿気による木材劣化やきしみ

  3. シロアリ被害

の3系統が代表的です。
“音の種類”と“床の症状”を組み合わせるだけで、
原因の方向性はかなり絞り込めます。

床下異音の代表パターン

1. 害獣由来

  • ガサガサ

  • カサカサ

  • ときどきカリカリ

  • 移動する音

夜間に増えやすく、
キッチンや収納に近い床で顕著になることが多いです。

2. 湿気・建材由来

  • ミシミシ

  • ギシギシ

  • キュッ

人が歩いたときに連動して鳴るのが特徴。
梅雨〜夏に悪化しやすい傾向があります。

3. シロアリ由来

シロアリは“音”よりも
床の沈み・軋みの増加・羽アリなどの症状で気づくことが多いです。

“症状のセット”で切り分ける

害獣の可能性が高いケース

  • 夜間に床下で動く音

  • 壁際や床下収納周辺にフン

  • 食品袋や段ボールにかじり跡

  • 外周の通気口や基礎周りに隙間

湿気の可能性が高いケース

  • 床鳴りが人の動きと一致

  • カビ臭が強い

  • 収納内が湿っぽい

  • 築年数が経ち、換気が弱い

シロアリの可能性が高いケース

  • 床がフワッと沈む

  • 木部を叩くと空洞音

  • 春〜初夏に羽アリが出た

  • 水回り付近の症状が強い

床下害獣の侵入口“重点箇所”

  • 基礎の隙間

  • 通気口の劣化・破損

  • 配管の貫通部

  • 勝手口・玄関周りの構造隙間

  • 物置や外構の死角

床下は「外から見えにくい」ため、
小さな隙間が長年放置されて侵入口化することがあります。

自分でできる“安全な範囲の点検”

※無理な潜り込みは事故の元です。
床下収納など安全に見える範囲に限定しましょう。

  • 懐中電灯で

    • フン

    • 巣材

    • 断熱材の乱れ

    • 水漏れ跡
      をチェック

  • 家の外周を一周して

    • 通気口

    • 配管穴

    • 基礎の欠け
      を確認

床下で水漏れやカビ跡が見つかった場合は、
害獣より先に湿気/設備の問題を疑う判断も重要です。

正しい対処の優先順位

床下異音は原因が複合することもあるため、
次の順で安全に整理していくのがおすすめです。

  1. 危険性の確認(漏電臭や重大な沈みがないか)

  2. シロアリの疑いが強ければ専門点検

  3. 害獣の痕跡があれば侵入口調査

  4. 湿気対策(換気・防湿の検討)

“どれか1つに決めつけない”ことが、
再発や見落としを防ぎます。

害獣だった場合の基本フロー

  1. 調査

  2. 追い出し・捕獲

  3. 清掃・消毒

  4. 侵入口封鎖

  5. 再発防止

床下は天井裏と同様、
封鎖の質が成果を左右します。

湿気・シロアリも同時に疑うべき理由

床下は環境が閉鎖的で、
害獣の活動が

  • 断熱材の乱れ

  • 換気不良

  • 汚染

を助長し、結果的に
湿気・カビ・木材劣化の悪化につながることがあります。

逆に、湿気環境が強いと
害獣が居心地の良い隠れ場所として利用しやすくなる場合も。
健康被害や家の資産価値を守るためには、
“害獣だけ”の視点で終わらせないのがポイントです。

よくある質問

Q. 床下の音が夏だけ増えるのはなぜ?

A. 害獣の繁殖・活動増加、湿気の増大の両方が関係する可能性があります。音の種類と床の症状をセットで見てください。

Q. 防湿シートで床鳴りは改善しますか?

A. 湿気由来のきしみには効果が期待できますが、害獣が原因なら別対策が必要です。

Q. 床下のネズミは室内にも出ますか?

A. 侵入経路が残っていれば出る可能性があります。早期の外周封鎖が重要です。

まとめ

床下の異音は
害獣・湿気・シロアリの三方向から切り分けるのが最短ルートです。
“音のタイプ”と“床の症状”を整理し、
必要なら専門調査を組み合わせて
追い出し→清掃→封鎖まで完結させることで、
再発と大規模修繕リスクを抑えられます。