COLUMNコラム

人家に巣をつくるハチの種類と危険なリスク

2025.02.15
人家に巣をつくるハチの種類と危険なリスク

日本の家屋にはさまざまな種類のハチが巣を作ることがあります。ハチは害虫を捕食する益虫としての側面もありますが、家屋に巣を作ると刺傷被害や建物への影響など、さまざまなリスクをもたらします。本記事では、日本の家屋に巣を作る代表的なハチの種類、それぞれの危険性や厄介な点について詳しく解説します。

1. 日本の家屋に巣を作るハチの種類

1-1. スズメバチ

スズメバチは、日本に生息するハチの中でも特に危険な種類です。攻撃性が高く、毒性の強い針を持っているため、刺されると激しい痛みやアレルギー反応(アナフィラキシーショック)を引き起こす可能性があります。

特徴

  • 体長:3cm〜5cm
  • 色:黄と黒の縞模様
  • 活動時期:5月〜10月
  • 巣の場所:軒下、屋根裏、壁の隙間、庭木、床下など

危険性・厄介性

  • 非常に攻撃的で、巣に近づくだけで襲われることがある。
  • 集団で襲いかかる習性があり、刺されると重篤な症状を引き起こすことも。
  • 巣が大型化しやすく、放置すると家屋に被害を与えることがある。

1-2. アシナガバチ

アシナガバチはスズメバチほど攻撃的ではありませんが、それでも刺されると強い痛みを感じるため注意が必要です。

特徴

  • 体長:1.5cm〜3cm
  • 色:スズメバチよりも細長い体で、黄色と黒の模様
  • 活動時期:5月〜10月
  • 巣の場所:ベランダの軒下、エアコンの室外機、庭木、建物の隙間など

危険性・厄介性

  • 比較的温和な性格だが、巣を刺激すると襲ってくる。
  • 毒性はスズメバチほど強くないが、刺されると腫れや痛みが伴う。
  • 巣の成長が速く、気づいたときには大型化していることがある。

1-3. ミツバチ

ミツバチは基本的には攻撃性の低いハチですが、巣を守るために刺すことがあります。また、一度刺すと針が皮膚に残り、毒が体内に流れ込み続けるため注意が必要です。

特徴

  • 体長:1cm〜2cm
  • 色:黒と黄色のストライプ
  • 活動時期:3月〜10月
  • 巣の場所:屋根裏、壁の中、床下、木のうろなど

危険性・厄介性

  • 毒性は弱めだが、刺されると痛みがあり、人によってはアナフィラキシーを引き起こす。
  • 巣が屋根裏などに作られると、巣の中の蜜が家屋に染み出してダメージを与えることがある。
  • 放置すると巣が巨大化し、大量のミツバチが家の中に侵入するリスクがある。

屋内に入り込む可能性が高い蜂の種類と、簡単に見分ける方法

種類 体長 特徴 巣の形態
アシナガバチ 約10〜25mm 細長い体、後ろ足が長い お椀を逆さにした形、六角形の巣穴が露出している
スズメバチ 約17〜45mm 太めの体、黄色と黒の縞模様 ボール型で貝殻のような模様があり、1つの出入口がある
モンスズメバチ 約25〜40mm 太めの体、黄色と黒の縞模様 釣り鐘のような形で、底が開いている
キイロスズメバチ 約17〜26mm 太めの体、黄色と黒の縞模様 ボール型で大型、側面に丸い出入口がある
コガタスズメバチ 約22〜28mm 太めの体、黄色と黒の縞模様 ボール型で比較的小型、側面に丸い出入口がある
オオスズメバチ 約27〜45mm 太めの体、黄色と黒の縞模様 底が開いた形、外皮が薄い
ドロバチ 約10〜20mm スズメバチに似るが小型 泥で作られた筒状や壺状の巣
ツチバチ 約15〜30mm 黒と黄色の縞模様、太い体 地中に巣を作る
ジガバチ 約15〜30mm 細長い体、長い脚 木の枝や壁の隙間に小さな穴を開けて巣を作る
クマバチ 約20〜30mm 大型で黒い体、オレンジ色の毛 木材や竹に穴を開けて巣を作る
クロアナバチ 約20〜30mm 全身が黒色で光沢があり、頭部に白色の短毛がある 地中に巣を作る

この表を参考に、家の周りで見かける蜂の種類を見極めて、適切な対策を取ることが大切です。

2. ハチが家屋に巣を作る理由

ハチが家に巣を作るのにはいくつかの理由があります。

  • 雨風をしのぎやすい:屋根裏や軒下は外敵からの攻撃を防ぎやすく、巣作りに適している。
  • 人の手が入りにくい:壁の中や床下などは自然界よりも安全に巣を作れる。
  • 温度や湿度が安定している:特にミツバチは温度管理が重要で、家屋は理想的な環境を提供することがある。

3. ハチの巣を放置するリスク

3-1. 人への危険

  • 刺されるリスクが高まり、特に小さな子どもや高齢者は重症化する可能性がある。
  • スズメバチの巣が大型化すると、家の周辺が危険区域となる。

3-2. 家屋へのダメージ

  • ミツバチの巣は蜜が染み出し、壁や天井にシミやカビが発生することがある。
  • スズメバチやアシナガバチの巣が屋根裏にできると、湿気や腐食を促進する要因になる。

4. ハチの巣を駆除する方法

4-1. 自力で駆除する場合

  • 準備するもの:防護服、スズメバチ用殺虫スプレー、懐中電灯、厚手のゴミ袋
  • 駆除の手順:夜間に殺虫スプレーを噴射し、完全に駆除した後に巣を撤去
  • 注意点:刺されるリスクが高いため、スズメバチの巣は自力で駆除しない方がよい

4-2. 専門業者に依頼する場合

  • 費用相場:3万〜7万円(アシナガバチ)、3万〜8万円(スズメバチ)
  • メリット:安全に確実に駆除できる、再発防止策も施してもらえる

5. ハチの巣を作らせないための予防策

  • 定期的に家の周りをチェック:春先に女王バチが巣を作る前に発見し、早めに対処する。
  • 巣を作りやすい場所を減らす:軒下や庭木に防虫ネットを張る、壁の隙間を塞ぐ。
  • ハチが嫌うものを使う:ハッカ油や木酢液を散布すると、ハチが寄り付きにくくなる。

6. ハチの巣を作らせないための具体的な予防策

  • ハッカオイル(ペパーミントオイル)

    • 強い清涼感のある香りを嫌うため、スプレーして散布すると効果的です。
  • 木酢液・竹酢液

    • 煙のような独特な匂いを持ち、
  • レモングラスやユーカリオイル

    • ハチが苦手とする香りで、ディフ
  • お酢を薄めた水溶液

    • お酢の匂いを嫌うために、スプレーで家の周囲に散布してください
  • 黒いもの(黒い布や袋)

    • 天敵であるクマを連想させるため、黒いものを吊るしておくとハチが寄る
  • 忌避スプレー(市販のハチ用スプレー)

    • ハチの巣予防専用のスプレーを軒下などに散布すると、巣を作るのを予防することも可能です。

7. まとめ

日本において住宅・家屋に巣を作るハチには、スズメバチ、アシナガバチ、ミツバチなどがあり、それぞれ異なる危険性や厄介な特性を持っています。

特にスズメバチは非常に攻撃的で、放置すると人への被害が大きくなるため、早めの対策が必要です。

ハチの巣を発見した場合は、状況に応じて自治体や専門業者に相談し、安全を確保しながら駆除を行いましょう。

また、予防策を講じることで、ハチが家に巣を作るリスクを減らすことができます。