日本の家屋にはさまざまな種類のハチが巣を作ることがあります。ハチは害虫を捕食する益虫としての側面もありますが、家屋に巣を作ると刺傷被害や建物への影響など、さまざまなリスクをもたらします。本記事では、日本の家屋に巣を作る代表的なハチの種類、それぞれの危険性や厄介な点について詳しく解説します。
1. 日本の家屋に巣を作るハチの種類
1-1. スズメバチ
スズメバチは、日本に生息するハチの中でも特に危険な種類です。攻撃性が高く、毒性の強い針を持っているため、刺されると激しい痛みやアレルギー反応(アナフィラキシーショック)を引き起こす可能性があります。
特徴
- 体長:3cm〜5cm
- 色:黄と黒の縞模様
- 活動時期:5月〜10月
- 巣の場所:軒下、屋根裏、壁の隙間、庭木、床下など
危険性・厄介性
- 非常に攻撃的で、巣に近づくだけで襲われることがある。
- 集団で襲いかかる習性があり、刺されると重篤な症状を引き起こすことも。
- 巣が大型化しやすく、放置すると家屋に被害を与えることがある。
1-2. アシナガバチ
アシナガバチはスズメバチほど攻撃的ではありませんが、それでも刺されると強い痛みを感じるため注意が必要です。
特徴
- 体長:1.5cm〜3cm
- 色:スズメバチよりも細長い体で、黄色と黒の模様
- 活動時期:5月〜10月
- 巣の場所:ベランダの軒下、エアコンの室外機、庭木、建物の隙間など
危険性・厄介性
- 比較的温和な性格だが、巣を刺激すると襲ってくる。
- 毒性はスズメバチほど強くないが、刺されると腫れや痛みが伴う。
- 巣の成長が速く、気づいたときには大型化していることがある。
1-3. ミツバチ
ミツバチは基本的には攻撃性の低いハチですが、巣を守るために刺すことがあります。また、一度刺すと針が皮膚に残り、毒が体内に流れ込み続けるため注意が必要です。
特徴
- 体長:1cm〜2cm
- 色:黒と黄色のストライプ
- 活動時期:3月〜10月
- 巣の場所:屋根裏、壁の中、床下、木のうろなど
危険性・厄介性
- 毒性は弱めだが、刺されると痛みがあり、人によってはアナフィラキシーを引き起こす。
- 巣が屋根裏などに作られると、巣の中の蜜が家屋に染み出してダメージを与えることがある。
- 放置すると巣が巨大化し、大量のミツバチが家の中に侵入するリスクがある。
屋内に入り込む可能性が高い蜂の種類と、簡単に見分ける方法
種類 |
体長 |
特徴 |
巣の形態 |
アシナガバチ |
約10〜25mm |
細長い体、後ろ足が長い |
お椀を逆さにした形、六角形の巣穴が露出している |
スズメバチ |
約17〜45mm |
太めの体、黄色と黒の縞模様 |
ボール型で貝殻のような模様があり、1つの出入口がある |
モンスズメバチ |
約25〜40mm |
太めの体、黄色と黒の縞模様 |
釣り鐘のような形で、底が開いている |
キイロスズメバチ |
約17〜26mm |
太めの体、黄色と黒の縞模様 |
ボール型で大型、側面に丸い出入口がある |
コガタスズメバチ |
約22〜28mm |
太めの体、黄色と黒の縞模様 |
ボール型で比較的小型、側面に丸い出入口がある |
オオスズメバチ |
約27〜45mm |
太めの体、黄色と黒の縞模様 |
底が開いた形、外皮が薄い |
ドロバチ |
約10〜20mm |
スズメバチに似るが小型 |
泥で作られた筒状や壺状の巣 |
ツチバチ |
約15〜30mm |
黒と黄色の縞模様、太い体 |
地中に巣を作る |
ジガバチ |
約15〜30mm |
細長い体、長い脚 |
木の枝や壁の隙間に小さな穴を開けて巣を作る |
クマバチ |
約20〜30mm |
大型で黒い体、オレンジ色の毛 |
木材や竹に穴を開けて巣を作る |
クロアナバチ |
約20〜30mm |
全身が黒色で光沢があり、頭部に白色の短毛がある |
地中に巣を作る |
この表を参考に、家の周りで見かける蜂の種類を見極めて、適切な対策を取ることが大切です。
2. ハチが家屋に巣を作る理由
ハチが家に巣を作るのにはいくつかの理由があります。
- 雨風をしのぎやすい:屋根裏や軒下は外敵からの攻撃を防ぎやすく、巣作りに適している。
- 人の手が入りにくい:壁の中や床下などは自然界よりも安全に巣を作れる。
- 温度や湿度が安定している:特にミツバチは温度管理が重要で、家屋は理想的な環境を提供することがある。
3. ハチの巣を放置するリスク
3-1. 人への危険
- 刺されるリスクが高まり、特に小さな子どもや高齢者は重症化する可能性がある。
- スズメバチの巣が大型化すると、家の周辺が危険区域となる。
3-2. 家屋へのダメージ
- ミツバチの巣は蜜が染み出し、壁や天井にシミやカビが発生することがある。
- スズメバチやアシナガバチの巣が屋根裏にできると、湿気や腐食を促進する要因になる。
4. ハチの巣を駆除する方法
4-1. 自力で駆除する場合
- 準備するもの:防護服、スズメバチ用殺虫スプレー、懐中電灯、厚手のゴミ袋
- 駆除の手順:夜間に殺虫スプレーを噴射し、完全に駆除した後に巣を撤去
- 注意点:刺されるリスクが高いため、スズメバチの巣は自力で駆除しない方がよい
4-2. 専門業者に依頼する場合
- 費用相場:3万〜7万円(アシナガバチ)、3万〜8万円(スズメバチ)
- メリット:安全に確実に駆除できる、再発防止策も施してもらえる
5. ハチの巣を作らせないための予防策
- 定期的に家の周りをチェック:春先に女王バチが巣を作る前に発見し、早めに対処する。
- 巣を作りやすい場所を減らす:軒下や庭木に防虫ネットを張る、壁の隙間を塞ぐ。
- ハチが嫌うものを使う:ハッカ油や木酢液を散布すると、ハチが寄り付きにくくなる。
6. ハチの巣を作らせないための具体的な予防策
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ハッカオイル(ペパーミントオイル)
- 強い清涼感のある香りを嫌うため、スプレーして散布すると効果的です。
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木酢液・竹酢液
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レモングラスやユーカリオイル
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お酢を薄めた水溶液
- お酢の匂いを嫌うために、スプレーで家の周囲に散布してください
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黒いもの(黒い布や袋)
- 天敵であるクマを連想させるため、黒いものを吊るしておくとハチが寄る
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忌避スプレー(市販のハチ用スプレー)
- ハチの巣予防専用のスプレーを軒下などに散布すると、巣を作るのを予防することも可能です。
7. まとめ
日本において住宅・家屋に巣を作るハチには、スズメバチ、アシナガバチ、ミツバチなどがあり、それぞれ異なる危険性や厄介な特性を持っています。
特にスズメバチは非常に攻撃的で、放置すると人への被害が大きくなるため、早めの対策が必要です。
ハチの巣を発見した場合は、状況に応じて自治体や専門業者に相談し、安全を確保しながら駆除を行いましょう。
また、予防策を講じることで、ハチが家に巣を作るリスクを減らすことができます。