COLUMNコラム

成功する!コウモリ対策

2025.06.01
成功する!コウモリ対策

はじめに:なぜコウモリ対策が必要なのか?

夕暮れ時、住宅の周辺でひらひらと飛ぶ黒い影を見かけたことはありませんか?

それは、もしかすると「コウモリ」かもしれません。コウモリは人を直接襲うわけではありませんが、住居に侵入し、フン尿による悪臭や衛生被害、建物の劣化など、多くのトラブルの原因となります。

特に都市部では「アブラコウモリ(イエコウモリ)」という種類が、民家の屋根裏や戸袋、換気口などの狭い空間に巣を作るケースが増えています。

本記事では、コウモリの生態から、なぜ住居に寄ってくるのか、そして効果的な対策方法まで、専門業者の目線で詳しく解説します。

ご自身でできる対策と、業者に依頼する際のポイントも紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。


コウモリの基礎知識|生態と被害の実態

コウモリはどこに潜んでいるのか?

コウモリは夜行性で、日中は暗くて狭い場所に潜んでいます。特にアブラコウモリは、以下のような場所を好みます。

  • 屋根裏

  • 戸袋(雨戸の収納スペース)

  • 換気口

  • シャッターボックス

  • 軒下の隙間

  • 壁のクラック(ひび割れ)

1〜2cm程度の隙間があれば、簡単に侵入できるほど柔軟な体を持っています。

コウモリがもたらす被害

コウモリの存在そのものよりも、以下のような「副次的な被害」が問題となります。

  • フン尿による悪臭

  • 室内へのダニ・ノミの発生

  • フンによるカビ・アレルギー症状

  • 建物の劣化(木材腐敗やシミの発生)

  • 感染症のリスク(狂犬病・ヒストプラズマ症など)

放置すればするほど被害が拡大するため、早期発見・早期対策が求められます。


コウモリを寄せ付けないための基本戦略

1. 侵入経路を徹底的に塞ぐ(物理的封鎖)

コウモリ対策において最も重要なのは、「侵入させない」ことです。すでに住みついている場合は、追い出したうえで隙間を封鎖します。

よくある侵入口と封鎖方法:

箇所 封鎖方法
屋根裏の換気口 金網やパンチングメタルを設置
戸袋・シャッターボックス 防虫ネットを取り付け
軒下の隙間 シリコンコーキングや金属プレートで閉塞
壁のひび割れ 補修材やパテで修復

封鎖作業は「コウモリがいないタイミング(夕方〜夜)」に行うのが基本です。

2. 忌避剤・音波装置の活用(心理的忌避)

コウモリは嗅覚・聴覚が非常に優れており、これを逆手に取った忌避対策が有効です。

主な忌避方法:

  • コウモリ専用の忌避スプレー(ハッカ油・メントール系)

  • 超音波装置(不快な高周波音を発する装置)

  • 強力ライトで照らす(暗所を嫌う性質を利用)

ただし、これらは「一時的な効果」であることが多く、最終的には物理的封鎖と併用する必要があります。


コウモリを寄せ付けやすい家の特徴とは?

コウモリはすべての家に来るわけではありません。以下のような条件が揃っている家は、特に狙われやすい傾向にあります。

1. 古い木造住宅

  • 屋根材や外壁の老朽化により、自然と隙間ができやすい

  • 換気口や戸袋などの構造が古く、網や防護が甘い

2. 周囲に自然が多い住宅

  • 川や森林、公園が近くにある

  • エサとなる昆虫が豊富(蚊・蛾など)

3. 夜間でも明かりがある家

  • 屋外照明や看板などのライトが多く、昆虫が集まりやすい

  • 昆虫を狙ってコウモリも寄ってくる

つまり、「虫が多い場所」=「コウモリも集まる」という関係が成り立つのです。


自分でできるコウモリ対策|DIYでどこまで可能か?

「業者に頼む前に、まずは自分でなんとかしたい」という方も多いでしょう。以下は、ご家庭でも実施できる対策です。

ステップ1:コウモリの出入りを観察する

  • 夕方〜夜にかけて、どこから出入りしているかをチェック

  • フンが落ちている箇所を確認(玄関・ベランダの角など)

ステップ2:忌避剤を使って一時的に追い出す

  • 忌避スプレーを出入口付近に散布

  • 超音波装置を設置して不快な環境を作る

ステップ3:侵入経路を封鎖する

  • 金網やネットで換気口をカバー

  • 小さな隙間にシーリング材を詰める

DIYの注意点:

  • コウモリが法律で「鳥獣保護法」によって守られているため、殺傷や巣の破壊はNG

  • 夏場(繁殖期)に赤ちゃんがいると追い出せない可能性あり

  • 屋根の上など高所作業は転落の危険があるため無理は禁物


専門業者に依頼すべきケースとは?

以下のような場合は、迷わずプロの業者に相談しましょう。

  • 屋根裏や高所に大量のフンや個体がいる

  • 自力で封鎖しても再発した

  • 建物が複雑な構造で、侵入口が特定できない

  • 小さなお子様や高齢者がいる家庭で衛生面が不安

プロが行う主な作業内容:

作業内容 説明
調査・点検 カメラやライトを用いて侵入口やフンを確認
忌避処理 安全性の高い専用忌避剤を使用
侵入口封鎖 金属加工など専門技術を駆使して再発防止
フン清掃・消毒 病原菌対策として除菌作業を実施

費用は10万円〜30万円前後が相場ですが、再発防止まで対応してくれる業者を選ぶことが重要です。


コウモリ対策に関するよくある質問(Q&A)

Q1. コウモリは駆除してもいいの?

A. コウモリは鳥獣保護法の対象動物であり、許可なしに殺傷・捕獲・巣の破壊をすることは違法です。合法的な方法で「追い出し・封鎖」するのが原則です。

Q2. フンを掃除する際の注意点は?

A. コウモリのフンには細菌やカビ胞子が含まれているため、必ずマスク・手袋を着用し、掃除後はアルコール消毒を行いましょう。

Q3. 超音波装置は本当に効果があるの?

A. 一定の効果は期待できますが、コウモリが慣れてしまう可能性があるため、侵入経路封鎖と併用が望ましいです。


まとめ|コウモリを寄せ付けない家づくりのために

コウモリ対策は「早期発見・早期対応」が何よりも大切です。

ポイントをまとめると:

  • コウモリの侵入口を把握し、確実に封鎖する

  • 忌避剤や音波装置を併用して居心地の悪い環境を作る

  • DIYで対処できない場合は、専門業者に依頼する

コウモリを寄せ付けない家づくりは、家族の健康と快適な生活環境を守る第一歩です。もし現在、屋根裏や外壁付近に黒い影を見かけたなら、今すぐ行動を起こしましょう。