近年、ネズミ・イタチ・ハクビシン・コウモリといった害獣が住宅や倉庫、商業施設に侵入し、被害が深刻化しています。
害獣は一度住み着くと、天井裏や壁の中で巣を作り、糞尿や悪臭、断熱材の破壊、配線のかじりによる火災リスクなど、多大な被害をもたらします。
被害を未然に防ぐために重要なのが「外壁や屋根の定期点検」です。
本記事では、建物の構造的な弱点と、一般家庭でも実施できる点検・補修方法を、プロの視点から徹底解説します。
害獣は驚くほど小さな隙間からでも侵入できます。代表的な侵入口は以下の通りです。
例えばネズミは直径2cmの穴があれば侵入可能です。イタチやハクビシンは意外と体が柔らかく、わずか5cm程度の隙間からも侵入できます。コウモリはさらに小さく、1cm未満の隙間でも入り込むことができます。
つまり、私たちが「大丈夫だろう」と思っている小さな隙間が、実は害獣にとっては絶好の入口になっているのです。
日常的な点検で注目すべき部位をリスト化しました。ここを意識して確認すれば、侵入リスクを大幅に下げられます。
強風や地震の影響で瓦がずれていると、そこから小動物が侵入。
特に日本瓦は重みでずれやすく、定期点検が必要。
スレート屋根や金属屋根の頂部を覆う板金が劣化で浮くと隙間が発生。
雨水の浸入だけでなく、イタチ・コウモリの侵入口になる。
経年劣化や鳥のつつきで穴が開くケースが多い。
屋根裏へ直通するため、最も危険な侵入口の一つ。
通気を確保するための格子が壊れていると害獣が侵入。
コウモリやネズミがよく利用するルート。
モルタルやサイディングの割れ目から徐々に広がり、最終的に害獣の侵入口となる。
雨水の浸入による建物劣化も併発する。
パテやコーキングの劣化により隙間が生じやすい。
ネズミやムカデ、ゴキブリなど多様な害虫・害獣の入口。
鉄格子が曲がっていたり網が破れていると、ネズミやイタチの通路に。
床下に侵入されると発見が遅れやすい。
害獣侵入を未然に防ぐには、日常的なセルフチェックが有効です。以下は自宅で簡単にできる確認方法です。
点検で小さな隙間を発見した場合、DIYで応急処置することも可能です。
ただし、害獣がすでに住み着いている状態で隙間を塞ぐと、建物内部で繁殖・腐敗するリスクがあります。気配を感じたら、必ずプロに相談しましょう。
これらは「もっと早く点検していれば防げた」事例です。