COLUMNコラム

米国・日本のコウモリ被害と駆除方法|住宅への侵入対策ガイド

2025.10.11
米国・日本のコウモリ被害と駆除方法|住宅への侵入対策ガイド

はじめに:米国・日本におけるコウモリ被害と駆除の重要性

コウモリは世界中に生息し、米国や日本でも住宅被害や健康被害をもたらす害獣として知られています。屋根裏や換気口に住みつき、糞尿や騒音、感染症リスクを引き起こすこともあります。一方で、農業害虫を捕食する益獣でもあり、各国で保護の対象です。

本記事では、米国におけるコウモリ対策を中心に、日本での対策との違いも解説します。住宅環境を守りつつ、コウモリとの共生を考えた正しい駆除方法を紹介します。

米国に生息するコウモリの種類と住宅被害

米国には40種類以上のコウモリが生息しています。農業害虫を捕食する益獣として重要ですが、都市部では住宅への侵入による糞害、騒音、感染症リスクが問題です。

代表的な種類と特徴

  • リトルブラウンバット(Little Brown Bat)
    体長8cm、翼長20〜25cmの小型種。屋根裏に集団で住みつき、糞尿による悪臭やヒストプラズマ症のリスクがあります。
  • ビッグブラウンバット(Big Brown Bat)
    翼長30cm以上の中型種。寒冷地の住宅に冬眠目的で侵入し、騒音や糞害、狂犬病ウイルスの媒介リスクがあります。
  • フリーテールバット(Free-tailed Bat)
    南部に多く、橋やビル下で大規模コロニーを形成。糞害や建物劣化の原因になります。

その他の代表種と被害

ホオヒゲコウモリ、シルバーヘアードバット、ホオジロコウモリなども住宅に迷い込むことがあり、誤って侵入した場合には捕獲対応が必要です。

米国で報告される被害例

  • 糞害・悪臭:天井や断熱材の劣化、建材崩落のリスク
  • 騒音:群れで活動する羽音や鳴き声による睡眠妨害
  • 感染症リスク:ヒストプラズマ症、狂犬病ウイルス
  • 二次的害虫発生:糞によりゴキブリやハエの繁殖促進

米国における法律と駆除の注意点

  • 連邦法:Endangered Species Actで一部のコウモリは厳重保護
  • 州法:ニューヨーク州などでは出産期の駆除禁止
  • 違反時:高額罰金や刑事処罰の可能性

米国では殺処分ではなく、追い出しと侵入経路封鎖が基本です。

米国の住宅事情とコウモリ被害

  • 木造住宅が多く屋根裏が広いため侵入しやすい
  • 換気口や屋根の隙間から侵入するケースが多い
  • 糞尿が断熱材や木材を劣化させ、リフォームが必要になることも

米国で行われるコウモリ対策の方法

1. ワンウェイ排出口(One-way Excluder)の設置

  • コウモリは外に出られるが再侵入不可
  • 数日〜数週間で群れを追い出せる
  • 法律を遵守しつつ効率的に駆除可能

2. 侵入経路の封鎖

  • 屋根隙間や換気口に金網を設置
  • 小さな穴はシーリング材で封鎖
  • 煙突には専用キャップを装着

3. 糞の清掃と消毒

  • 糞(グアノ)には真菌が含まれ感染症リスクあり
  • 防護服を着用して業者が徹底的に清掃・消毒

4. プロ業者の介入

  • 州認可業者や「認定野生動物管理士」が対応
  • ワンウェイ装置設置、封鎖工事、清掃を一括で実施

日本に生息するコウモリの種類と被害

日本には30種類以上が生息。森林や洞窟をねぐらとする種と、都市部の住宅やビルに適応する種があります。特に後者は屋根裏や換気口、シャッター隙間に入り込み、糞尿や騒音で被害をもたらします。鳥獣保護法の対象でもあり、安易な捕獲や殺処分は違法です。

代表的なコウモリの種類

  • アブラコウモリ(イエコウモリ)
    都市部から農村まで広く分布。屋根瓦下や軒下に集団で棲み、糞尿・騒音・衛生リスクが中心の被害。
  • ウサギコウモリ
    山間部や森林に生息。超音波能力が高く住宅内に迷い込むことも。糞害や鳴き声が主な被害。
  • テングコウモリ
    山岳や洞窟に生息。一般家庭での被害は少ないが、寺社や倉庫では糞の堆積や悪臭被害あり。
  • ヤマコウモリ・モモジロコウモリ
    主に森林や洞窟で生活。都市部への侵入は少ないが、環境変化により被害事例が増加。

日本での被害事例

  • 糞尿被害:天井板の染み、断熱材劣化、悪臭、二次害虫発生
  • 騒音:夜間の羽音・鳴き声による睡眠妨害
  • 衛生・健康リスク:真菌感染症、素手での掃除は危険
  • 建物劣化:木材や断熱材が腐食、補修費用増加

日本で行われるコウモリ対策

1. 追い出し(忌避剤・音・光の利用)

  • 忌避スプレー(ハーブ・唐辛子成分など)
  • 超音波装置で不快環境を作る
  • 強い光を当てて追い出す

2. 侵入経路の封鎖

  • 瓦・軒下の隙間に防鳥ネット設置
  • 換気口にステンレスメッシュ取り付け
  • シーリング材で小隙間を封鎖

3. 糞の清掃と消毒

  • マスク・手袋着用で除去
  • アルコールや業務用薬剤で消毒
  • 消臭剤の利用で臭い対策

4. プロ業者の介入

  • 捕獲・殺処分は禁止。繁殖期を避け追い出し・封鎖
  • 再発防止保証付きの業者も多い

FAQ:よくある質問

Q1:コウモリの糞は危険ですか?

A1:糞には真菌や細菌が含まれるため、放置すると健康被害のリスクがあります。専門業者による清掃・消毒が推奨されます。

Q2:自力で追い出せますか?

A2:一時的には忌避剤や超音波で可能ですが、再侵入防止や繁殖期対策は難しく、長期的には専門業者に依頼する方が安全です。

Q3:駆除費用の目安は?

A3:屋根裏の広さやコウモリの数により異なります。米国では数百ドル〜数千ドル、日本では5万円〜20万円前後が目安です。

まとめ

米国と日本のコウモリ対策には共通点と相違点があります。共通点は殺処分禁止で、「追い出し」と「侵入経路封鎖」が基本であること。米国では法律が厳格でワンウェイ排出口が主流、日本では忌避剤や超音波も活用されます。被害が大きい場合や法的リスクを避ける場合は、専門業者に相談し、適切な追い出し・封鎖・清掃を行うことが最も安全で確実です。