COLUMNコラム

天井裏の“カリカリ/コトコト”はネズミ?イタチ?見分け方

2025.12.11
天井裏の“カリカリ/コトコト”はネズミ?イタチ?見分け方

この記事の結論

天井裏の「カリカリ」「コトコト」という異音は、最も多い原因がネズミ、次点でイタチ・テンなどの小〜中型哺乳類です。
ただし“音だけ”で断定するのは危険で、時間帯・音の重さ・移動の仕方・フン・ニオイ・断熱材の乱れをセットで確認すると判定精度が一気に上がります。

天井裏の害獣は放置すると、配線の咬害・断熱材の破損・悪臭・ダニ/ノミの発生につながることがあるため、「音が続く段階」で早めに原因を絞り込むのが最もコスパの良い対策です。

まず確認したい“危険サイン”

次のうち2つ以上当てはまるなら、天井裏に動物がいる可能性が高い状態です。

  • 夜〜明け方に異音が集中する

  • 音が2〜3日で終わらず1週間以上続く

  • 点検口周辺で断熱材が踏み荒らされている

  • 天井や壁の近くで獣臭・尿臭がする

  • 室内側(押し入れ・天袋周辺)に小さなフンが落ちている

  • 以前より虫(ダニ様の小さな黒点)が増えた

音の特徴で見分ける|ネズミとイタチの違い

ネズミの可能性が高い音

  • 軽く乾いた“カリカリ/カサカサ/サササ”

  • 短い距離を素早く往復するように聞こえる

  • ときどきかじる音が混じる

  • 夜間にピークが来やすい

ネズミは体重が軽く、小回りの効く動き方をします。
断熱材の上を走ると、**硬い床の足音というより“紙を擦るような音”**に聞こえることもあります。

イタチの可能性が高い音

  • “コトッ/ドタッ/トン”と一段重い

  • 走るより歩く・飛び降りるような単発音

  • 音が出る範囲が比較的広い

  • 夜間〜早朝に活動するが、状況によって昼も動く

イタチはネズミより体が大きく、屋根裏を“生活空間”として使うと、踏み荒らしや獣道ができやすいのが特徴です。

決め手は“痕跡”|フン・足跡・断熱材

フンの見分け

  • ネズミ:米粒〜小豆くらいの細長い黒〜茶色

  • イタチ:ネズミより太めでねじれやすい。毛や骨片が混じることがある

※見た目だけで不安な場合は、“落ちている位置”も重要です。
ネズミは壁際や配管/梁沿い
に連続して落ちることが多く、イタチは通り道の要所にまとまる傾向があります。

断熱材の荒れ方

  • ネズミ:局所的・細かい乱れ、かじり跡

  • イタチ:広範囲に踏み荒らす、通路がはっきり

断熱材が大きくめくれていたり、同じ方向に寝ている場合は、体の大きい動物が繰り返し通った可能性があります。

侵入口の“あるある”ポイント

天井裏に入るルートは、屋根そのものより外壁・通気・配管の取り合い部に集中します。

  • 屋根と外壁の隙間

  • 軒下の破損

  • 通気口/換気口

  • 雨樋の裏側

  • エアコン配管穴

  • 太陽光パネル周辺(隙間や鳥害を起点にする例)

「新築だから大丈夫」と思われがちですが、わずかな施工隙間や外構の形状がきっかけで侵入するケースは珍しくありません。

自分でできる“5分セルフ診断”

安全第一で、できる範囲の確認だけ行いましょう。

  1. 音の時間帯と位置をメモ

  2. 点検口があれば懐中電灯で

    • 断熱材の乱れ

    • フン

    • 足跡(黒い筋状)
      をチェック

  3. 家の外周を一周して

    • 通気口

    • 配管周り

    • 破損部
      を目視

可能ならスマホで録音しておくと、業者診断が速くなります。

やってはいけないNG対応

侵入口を先に塞ぐ

中に動物がいる状態で塞ぐと、
閉じ込め→暴れる→室内側へ移動や、天井裏で死亡→悪臭につながる恐れがあります。

毒餌の無計画使用

ネズミで特に多い失敗がこれです。
天井裏で死骸化すると、臭い・ウジ・ハエ・二次感染の原因になります。

むやみに叩く・追い回す

一時的に静かになっても、根本解決にはならず行動範囲が変わるだけのことが多いです。

正しい対処の順番

最も再発を減らせる基本フローは次の通りです。

  1. 調査(音/痕跡/侵入口の特定)

  2. 追い出し・捕獲などの適切処置

  3. 清掃・消毒

  4. 侵入口の封鎖

  5. 再発防止の点検

順番を守るだけで、同じ費用でも成果が大きく変わります。

プロに依頼すべき判断基準

  • 音が1週間以上続く

  • フンが確認できる

  • 獣臭や尿臭がある

  • 断熱材の破損が疑われる

  • 高所作業が必要

  • 小さな子ども・高齢者がいる

天井裏の害獣は、再発防止まで含めて施工品質が差になりやすい領域です。
“追い出しだけ”で終わらせず、封鎖と清掃まで一括でできる体制を選ぶのが安心です。

よくある質問

Q. 昼に音がすることもあります。ネズミではない?

A. ネズミでも昼に動くことはあります。巣が完成して個体数が増えている場合や、室内に誘引源が多い場合は活動が拡大します。

Q. ネズミとイタチが同時にいることは?

A. あります。イタチがネズミを追って侵入するケースもあり、音が複数タイプ混ざることがあります。

Q. 天井裏の異音は季節で変わる?

A. 変わります。繁殖期・気温・餌の状況で活動時間がズレるため、春〜秋は特に相談が増えやすい傾向です。

まとめ

天井裏の「カリカリ/コトコト」は、
ネズミ優勢→イタチなど中型が続くという順で疑うのが合理的です。
ただし確定の決め手は、音+痕跡+侵入口の三点セット。
早期に正しく切り分け、追い出し→清掃→封鎖まで一気に行うことが、最短で被害と費用を抑える近道です。