アライグマ被害は「侵入経路の特定」で9割決まる
「天井裏でドタドタ音がする」「屋根の上を歩くような重い足音がする」「庭やベランダにフンのようなものがある」——この症状があるなら、アライグマが屋根裏や壁内に侵入している可能性があります。
アライグマ対策で一番多い失敗は、追い出し(忌避・煙・音)を先にやってしまい、侵入口(出入り口)が残ったままで再発することです。アライグマは学習能力が高く、一度入りやすいルートを覚えると繰り返し使います。
この記事では、一般家庭でもできるように、「外壁・屋根の侵入口チェック」→「侵入サインの確認」→「封鎖(防獣)の基本」→「点検手順」を、現場目線でわかりやすくまとめます。
この記事の結論
- アライグマの侵入口は屋根まわり(軒天・破風・屋根端・取り合い)に集中しやすい
- 点検は外周→登る導線→軒天→破風→屋根端→(可能なら)屋根裏の順が最短
- 封鎖は金属+ビス固定が基本(コーキング単体・プラ網・テープ止めは再発しやすい)
- 糞尿が多い/高所作業が必要/幼獣(子育て)疑いなら、早めに専門業者へ
アライグマの特徴:なぜ屋根裏に入りやすいのか
アライグマは手先が器用で、登攀(よじ登り)が得意です。雨樋・配管・外壁の凹凸・フェンス・カーポートなどを足場にして2階や屋根へ到達し、軒天や破風の隙間から屋根裏へ侵入するケースが多く見られます。
アライグマは「穴」より「ズレ・浮き・めくれ」を狙う
ネズミのような小さな穴というより、軒天のたわみ、板金の浮き、破風板の継ぎ目の開き、屋根と外壁の取り合いの隙間といった“構造の弱点”から侵入が起きやすいのが特徴です。
音の特徴:夜間の「ドタドタ」「ゴトゴト」
アライグマは体格があるため、夜に屋根裏で動くと「ドタドタ」「ゴトゴト」と重い足音になりやすいです。毎晩同じ時間帯に続く場合は、住み着きの可能性が上がります。
まずはここから:アライグマが“登る導線”を特定する
侵入口を探す前に、屋根へ到達できる導線を洗い出すと、侵入口の発見が早くなります。導線がある場所の上(軒天・破風・屋根端)に侵入口ができやすいからです。
登る導線チェックリスト(外周を1周して確認)
- 縦樋(雨樋)に泥汚れ・擦れがある
- 配管・配線カバーが壁沿いに立ち上がっている
- 室外機・物置・カーポートが壁に近く踏み台になっている
- ブロック塀・フェンスが外壁に接近している
- 庭木の枝が2階・屋根に届いている
- ベランダ手すり・雨戸の戸袋周辺がステップになっている
【最優先】屋根・屋根裏の侵入口チェックポイント(軒天・破風・取り合い)
高所作業は危険なので、基本は地上から見上げて点検します。スマホのズーム撮影でも十分に手がかりが得られます。
軒天(のきてん)の穴・たわみ・換気孔の破損
- 穴・割れ・欠け
- たわみ(波打つ)・板の浮き
- 換気孔付き軒天の網の破れ/外れ/目が粗い
- 黒い擦れ・泥汚れ(出入り跡)
- 毛が引っかかっている
軒天は屋根裏に近く、破損していると侵入されやすい場所です。見た目が正常でも網が外れていることがあるので要注意です。
破風(はふ)・鼻隠しの隙間(板金の浮き・継ぎ目の開き)
- 破風板の継ぎ目が開いている
- 板金が浮いている/端がめくれている
- ビス・釘の浮き(固定が甘い)
- 隙間周辺の黒ずみ・擦れ
屋根と外壁の取り合い(雨押え・板金端)の隙間
- 板金端が浮いて奥が暗い(空洞に見える)
- シーリング(コーキング)の切れ
- 取り合い部に泥・毛・ゴミが溜まる
屋根材のズレ(地上から確認)
- 瓦やスレートのズレ・欠け
- 棟板金の浮き・端のめくれ
- 屋根端のラインが波打つ
屋根に登るのは危険です。地上から見える範囲で確認し、怪しい場合は無理をせず専門へ。
外壁側で見落としがちな侵入口(アライグマが使うケース)
屋根まわりが本命になりやすい一方、条件次第で外壁側の開口も侵入口になります。
換気口(ベントキャップ)の破損・固定の甘さ
- カバーの割れ・外れ
- 網の破れ・浮き・目の粗さ
- カバーと外壁の隙間
- 周辺の擦れ・汚れ
点検口・メーターボックス周辺(配管・配線が集まる)
- 点検口周りの隙間・ガタつき
- 配管・配線の貫通部の隙間
- 内側が空洞になっているサイン
侵入サインで侵入口を逆算する(足跡・糞尿・臭い・毛)
侵入口が見つからない場合は、痕跡(サイン)を拾うと絞り込めます。
よくある侵入サイン
- 強い獣臭(特に天井付近)
- 天井のシミ(尿染み)
- 屋根裏の断熱材が荒れている・踏み固められている
- 軒天や破風の周辺に毛・泥が付着
- 夜間の重い足音(ドタドタ)
フンは感染リスクがあるため、素手で触らず、掃除機で吸わない(粉塵が舞う)ことが重要です。
封鎖(防獣)の基本:アライグマは力が強いので「金属+固定」が必須
アライグマは引っ張る・こじ開ける力が強く、固定が甘いと突破されます。封鎖は金属メッシュ/パンチング板など“破られない素材”を使い、ビス固定で外れない施工が基本です。
失敗しやすい材料(再発しやすい)
- プラ網:破られやすい
- スポンジ:引っ張られて終わる
- テープ止め:剥がされる
- コーキング単体:裂ける・剥がれる
封鎖の順番に注意:中に残したまま塞ぐと悪臭・害虫の原因
住み着いている状態で入口を先に塞ぐと、屋根裏で出られなくなり、死亡→悪臭→害虫発生につながることがあります。判断が難しい場合は、無理をせず専門業者へ相談してください。
【点検マニュアル】15〜30分で侵入口候補を絞る手順
- 家の外周を1周し、登る導線(雨樋・室外機・塀・枝)を確認する
- 導線がある場所の上(軒天)をスマホズームで重点チェックする
- 破風・屋根端・取り合い(板金)の浮きや隙間を確認する
- 怪しい場所は「引き(場所)」「寄り(破損)」で写真を撮る
- 音がする部屋・臭いが強い部屋・シミの場所をメモして外側と照合する
業者に依頼すべきケース(アライグマはここが境界線)
- 高所作業(軒天・破風・屋根端)が必要
- 糞尿が多い/臭いが強い/天井にシミがある
- 夜間の音が連日続く(住み着きの可能性)
- 幼獣(子育て)疑いがある
- 侵入口が複数ありそう/再発している
よくある質問(FAQ)
アライグマはどこから屋根裏に入る?
多いのは軒天の破損、破風の隙間、屋根と外壁の取り合いの隙間、板金の浮きです。登る導線の上(軒天)を最優先で点検すると見つけやすくなります。
追い出し(忌避剤)だけで解決する?
一時的に出ても、侵入口が残ると戻ります。最短は侵入口の特定→封鎖→再発防止です。
侵入口はいつ塞ぐのがいい?
原則は中に残っていないことを確認してからです。封鎖の順番を誤ると悪臭・害虫発生につながるため、判断が難しい場合は専門業者へ。
まとめ:アライグマ対策は「見つける→塞ぐ→再発させない」が最短
アライグマ対策を短期で終わらせるコツは、やることを順番通りにすることです。まずは登る導線→軒天→破風→取り合いの順で侵入口候補を絞り、封鎖は金属+ビス固定を基本にしてください。高所・糞尿多・幼獣疑いは無理をせず、早めに専門業者へ相談するのが安全です。